FRPオイルタンクの作成。

混合給油が嫌でTDRの純正オイルタンク位置にはエアクリボックスが鎮座するので純正タンクは使えない。
ということで自作か流用となったのですが、装着できる場所が限られていて流用で合いそうなタンクも無さそう。ということで自作します。

材料はFRPです。
長い目で見る耐久性でアルミも考えたのですが、目視でオイル量の確認ができ乗る度にオイル量の簡単チェックができるのと、オイルレベルセンサーに頼ってもいいですがマルチLCDメーターだとオイル灯の事前点灯が無いと思われ、もしセンサー・メーター球が故障しても気が付かない事があるかも。と考えFRPを選びました。一応オイルレベルセンサーも付けます。

まずは型紙でおおまかな形を作り中に発泡ウレタンを注入します。
この段階でできるだけ求める形状にした方が後の作業が楽になります。
結果、なかなかの形状に仕上がりました。

次はパテを盛り・現物合わせ・削るを繰り返し形状を仕上げていきます。

FRP貼りこみ作業時にエアの確認がしやすいように黒で塗り2ピース構造にするための仕切を全周にアルミテープを使い設置していきます。

オイルキャップとオイルレベルセンサー取り付け穴はマジックの蓋とタッチアップペイントが丁度良い径だったのでパテで固定してあります。
アルミテープに見える青いものは離型用PVAです。

FRP貼りこみ作業は色んなHPで詳しく載っているでしょうからはしょりますが、簡単に書くとワックス・PVA・ワックスの順で塗りクロス・マットの順で貼りこんでいきます。今回はクロス・マット・マット・クロスの4プライ構造です。強度が十分に欲しかったのと最後のクロスが表になるので綺麗に見せるためです。
脱泡ローラーは小型サイズを準備すると細かい所の脱泡がしやすいです。

片方を貼りこんだらガムテを全周に貼り次に貼る側とくっつかないようにします。

もう片方も貼りこみ完了しました。
マスターの形状で曲がりのある所は硬化にしたがって勝手に離型してます。

一日置いて両方完全に離型してみると、マスターに損傷は無くうまくいきました。しかし、細かいエアが抜けきれておらず細かい修正が必要です。
エア穴をピンバイスで開けプラリペアを盛って穴を一つづつ埋めていこうと考えています。

合わせてみるときちんと重なり、強度もかなりありこれなら長持ちしてくれそうです♪
あとは要らない部分をカットし二つを合体させればタンクの完成です。
あとは車体へのステーと車体にもステーを作らないといけません。
これらはそれほど難しい事ではないし、今回予想どうりうまくいったのでこの勢いでさっさと作っていこうと思います。
じゃないとまたおっくうになってしまいそうで(^^;
整形し二枚を貼り付け

粉塵対策で写真のようにダンボールとガラス板を使いグラインダーボックスを作りました。
おかげでカイカイにはならず楽に整形できました。

貼り合わせる前にエア抜き・オイル通路の二つを作らないといけません。
FRPパイプが無かったのでABSパイプを買ってきてプラリペアで接着しました。円周状に盛り、抜け止めとしても利用しています。

さて貼り合わせです。
FRP樹脂とタルクを混ぜて樹脂パテを作り、タンク両方の合わせ面に適度に塗り(大量に塗ると中へのはみ出しが増えるので)固まるまで押さえておきました。
この時点で水を入れて漏れチェックをしてみるとバッチリ漏れませんでした♪

このパテ。とても固くきちんとくっ付いていますが、余ったタルクで実験してみると、ヒビが少し入るとそこからすぐに割れていきます。
なにかの拍子にヒビが入るとそのまま割れてオイルが漏れてしまいます。
心配性なので外周のフチをカットし、FRPで全周を補強しました。
これだけやっておけばまず大丈夫でしょう。

次はフレームへのステーの作成です。
ステーを作成・塗装し、車体へ取り付け完成。

前側ステー
L字のFRPステーを二つ作り樹脂パテで接着します。
写真にはありませんが、これだけでは不安なのでガラスクロスを上から二重に貼りつけておきました。

後側ステー
FRP板を作り樹脂パテで良い角度を保持しながら固定後、ガラスクロスを上下に貼りつけ補強してあります。

タンクキャップの抜け止め
後で思いついたタンクキャップの抜け止めを作成します。
エポパテを盛り、NSR250のキャップ抜け止めを写真のように取りつけました。
最初から思いついていればタンク形状だけで装着できたので悔やまれます。

塗装
FRPプライマーを塗り黒色へ塗装します。
一部分にテープを貼っておき透明にし、写真のように目盛りを書いておきました。
容量は850ccを確保でき満足しています。

車体への取り付けは純正CDI取り付けベースを使い前側を固定しています。
後ろ側は補強フレームの右側へ鉄板ステーを溶接し、写真のようにゴムを介して装着しています。
ナットはセルフロックを使っているので程よいグラつき感でタンクを振動から守ってくれることでしょう。
前側ステーにもゴムブッシュを使いラバーマウントにしています。

オイルレベルセンサーはNSR250のものを曲げて装着しています。
動作チェックしてみるとイマイチ反応が良くないのですが、オイルで浸されるときちんと動作するのでしょう。と思いたいです。
タンクキャップも同じくNSR250のものを使用しています。

オイルタンクからオイルポンプへの間にはNSR250用パイプを介してフィルターを設けてあります。
細かいゴミが発生することもあるだろうし、もしエアが噛んでもここに溜まるので、ポンプへエアが直行することはありません。
このフィルターのエア抜きはちょっとコツが必要でめんどいですが、安心のためなので我慢です。一度抜いてしまえば次のスパンは長いので苦にはなりませんが。

このフィルターはガソリン用なので流量が気になったのですが、オイルポンプのエア抜き時の流れ具合やフィルターから直に流してみたところ十分な量が流れてきたので問題は無いでしょう。

オイル通路をアクリルパイプにしたため途中で壊れたり色々と苦労しましたが、十分な容量を確保でき、強度も十分に満足いくものに仕上がりました。