TDR50にTZR50スイングアームを装着する。 1、なぜ? 私はTDRで林道などオフも走ります。というかれっきとしたオフ車が無いのでほぼそれがメインです。で、ある日、オフを走るにはTDRのスイングアームは短いかな?とちょっと思ったのです。 別に今の状態でもいいんですが、特に下りで凸凹がハードになるとリアがピョンピョン跳ねてえらいことになってしまうのです(汗) 長い方がホイールトラベルが増え、ショック吸収性・安定性が上がると考えた私はヤフオクにて左のスイングアーム(たぶん3TU、ボロい)を500円で入手。 こんなことを考えなくても普通にオフ車としてTDRを見たらスイングアームが短いと思いません?まぁ12インチな時点でよろしくないのですが(^^;) スイングアーム変更に伴い、サスも強化しないといけないと思うのですが、まずはこのスイングアームだけを加工して装着を目指し、手直しはおいおいってことで行こうと思います。 用意した物: TZR50スイングアーム・チェーンケース アクスル・ピボットシャフト等その他はTDR用でOK。 サスマウントステー、ワッシャー数枚 NSR250用・リアサスのアッパーボルト MC21リアサス(SE・SP)、スズキ・アクロスのカラー ワッシャー2mm×3、2・6mm×3 今のところ以上。 |
2、考える TDRの車体にボルトオンで取り付けできることは分かってました。あとはサスマウント部を加工するか、TDRのノーマルより長いサスを付けるかして車高を調整する必要があります。 私はスイングアームだけを替えた効果を知りたいので左の写真のマウント部の加工をすることにします。 さて、どうするか・・・このマウントを取っ払ってTDRのようなマウントを作り溶接するか・・・このマウントはそのままにしてコの字型のマウントを作りそれをこのマウントに溶接するか・・・今のところこの二つで考えてます。 あまり補強がないものにしてしまうと万一壊れたら怖いので今のところ前者で行こうかなって思ってます。 スイングアームの角度をどれくらいにするかも悩みます。 基本的にディメンションは変えたくないのですが、それだと結果スイングアームが寝てしまい、リアの踏ん張りが弱くなってしまうと思うのです。ノーマルと同じ角度だとフロント寄りに変わってしまいます。 これもまだ考えがまとまっていません。まぁ、あまり深く考えずともいいと思いますが・・・ダメだったら作り直せばいいんだし。 そうそう、TDRからスイングアームを外して寸法を比べてみないと。マウント部以外が同寸ならまだ楽ですが、違ったらどうしよう(汗)今のとこ同寸だろうと思っています・・・(^^;) |
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3、比べる さて、二台のスイングアームを比べたところ、想像どうりピポットの幅は同じで、すんなり車体に入りました。が、あとは全く違いました(汗) まず、スイングアーム補強兼サスマウントの台座の位置が5cmほど後ろに下がっています。これは困りました、この台座の上にサスマウントを溶接しようと思ってたのに新たに台座を作らないといけなくなりました。 そしてもう一つの違いが、スイングアームの幅で、TDRと比べ15mmほど狭くなっています。これは右下の写真のようにジャッキを使い広げました。 厳密にいうと、ホイルセンター・チェーンラインが合わないかなと思うのですが、目測で合ってる感じなので「ま〜、よし!」です(^^)チェーンケースもTZR用がすんなり入りました。 あとはブレーキホースを長いものに交換、チェーンのコマ数を増やして交換・チェーンスライダーをTDR用に(未確認)すれば、あとはサスマウントだけとなります。 装着できたら、リアフェンダーとタイヤがひょっとして干渉するかもしれません。 このサスマウントの寸法、だいたい決まってきたので鉄板を加工してマウント・台座の部品を作りツレの板金屋に溶接してもらいます。 ちなみにTZRスイングアームを装着すると95mmロングになります。 |
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3・5、もうちょっと考える サスマウントの台座・サスマウントの寸法を考え、それらを作って溶接するのが難しいかなと思ったので、サスを長いものに替えちゃおう!と楽な案の考察に入りました(笑) TDRのサスのボルト間ピッチが29cmで、ディメンションを変えずに(スイングアーム対地角は変わりますが)TZRスイングアームを装着するにはプラス約55mmの長さが必要でした。この長さをクリアし、太さも車体に干渉しないサスが必要です。 いろいろ調べるうちにDT50のサスがボルト間ピッチ34・5cm(ヤフオク情報)でどうやら「ドンピシャ!!(古っ)」、太さは分からないのですが同じヤマハの50cc兄弟車、そんなに違わないでしょう。 ヤフオクにてDT50のサスを検索し、とりあえずウォッチリストへ入れたところでふと思いました。 サスが長くなりマウントが後ろに下がるってことは・・・ TDRを前にして考えてみると、要はサスが寝るので車体(エアクリBOX内側)と干渉してしまいそう。 普通に立っているには大丈夫ですが、ストロークが大きくなるとたぶん当たりますね。DTのサスの方がストロークが大きく柔らかいと想像できることからも、不具合が出そうなのでこの案は不採用となりました。 DTのサスで試した方おられましたら、結果教えてくださ〜い! |
4、マウント作成依頼 今日ツレに左の寸法で(へたくそですいません(汗))ステーの作成を頼みました。来週半ばにできるというから楽しみです(^^) このステーを二枚作り、TZRのステーの外側からそれぞれ溶接し、溶接したステーの右下部分に板を溶接し、補強とします。幅が広くなったのにはワッシャーでもかまして対処します。 初め考えていたものよりかなり簡単なものになりましたが、たぶん大丈夫だろうという根拠なき自信のもと作業を進めます(^^;) しかも寸法も、急にツレ(実はモンキー乗り)が来るということになって、だいたいこれくらいだったハズ。と、これもちょっと適当に寸法を出しました(笑)まぁ、ハズレではない寸法に収まっているとは思います。 ボルト穴、直径は12mmです。 ただ溶接ってのはどのくらいまでの負荷に耐えれるのでしょうか?これが全然分からないのでちょっと不安です。しかも、溶接方向と同じ方向に負荷がかかるのもどうなんでしょう?横方向にも補強を溶接した方がいいのかな? まぁ出来てみないとなんとも分からないですね、来週が楽しみです(^^) |
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5、マウントステー完成 ステーが完成しました。二つだけ(汗) というのも右下に入れる補強のステーに水抜き穴を作るのを忘れていたため、また加工を依頼しました。 もう出来あがっていますが、このステーだけ手元にありません。 さて、現在の不具合は・・・ まず、ボルト穴の径を12mmちょうどにしてたので、サスをとめるボルトが入りません(汗)棒ヤスリで少し削ります。 さらに、55mmの延長のはずだったのに50mmの延長になってました(汗) まぁ、もういくしかないんでこのまま溶接します。(きちんと採寸すれば良かった) このステーは右下の写真のように溶接します。(写真はビニールテープで止めてます) そして、下側の斜めのところに水抜き穴加工したステーを溶接します。 明日か明後日に時間が空けばツレのところに行って溶接し完成なのですが忙しい・・・ |
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6、溶接完了・とりあえず装着 溶接が完了しました(実は去年に完成してました(汗))あとは5mmのずれがどうでるかが心配です。 溶接跡はなかなか綺麗で、かなり強そうですから多分大丈夫でしょう。 今度、穴を開けてボルトを通し、万が一溶接が割れても逝ってしまわないようにしたいと思います。 写真1段目・二段目・三段目左 とりあえず、すぐに装着して走りたかったのでタッチアップで塗りたくり小汚くなってますが、すぐに装着しました。どうせ全塗するから今度綺麗にしよう! 取り付けボルトはNSR250のリアサスのアッパーボルトが少し長いのでこれを使用します。(!ということは・・・) 結果、不具合は・・・ レバー比の関係でノーマルサスじゃ柔らかすぎて使い物になりません(汗)自分の体重だけでぐぁんぐぁんストロークします。 てことはDT50のサスもダメってことですね。 写真3段目右 それと、TZRのステーの横にステーを溶接したのですが、すんなりTDRサスが入りません。いや、入ることは入るんですが、もうちょっと右側にずらしたほうがベターです。 TZRステーを今回のようにして使うとキビシイです(汗) ワッシャーの枚数を右1枚左3枚にして対処しました。それでも少しキツイです。 写真を良く見ると、カラーが左に寄ってます(汗) ワッシャーを別のものに変更します。(もっと薄いもので調整) まだあります。5mmのずれが響いていて、2・3cmほど車高が下がりました(やっぱり) どっちみちノーマルサスでは話にならないのでサスを少し長いものに交換しようと思います。 写真4段目 最後に(汗)ノーマルリアフェンダーと干渉します。リアフェンを改造しないといけなくなりました(〜〜;) 左の写真が1G状態で右がシートに乗って軽く押してる状態です。 と、これだけの不具合が出ました(TT) リアブレーキホースはなんとか届きました。TZRスイングアームにちょうどよくステーがあるのでそのまま使用します。 あと、チェーンですがF14丁、R46丁(だったと思う)ノーマルスプロケで14リンクの延長が必要です。 どうせチェーンは420にするので、ツレのTDRから交換ついでにチェーンを貰ってきました。 これを切って使い、とにかく実走したいです。 写真5段目 でも、シルエットはかなりいけてます(^^) 一回り大きく見えるTDR、俄然やる気が出てきました!! |
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7、MC21サス(SE・SP)の取りつけ まずは90〜93のNSR250SE・SPのサスを準備します。 取り付けにあたり、問題は上側と下側のサスマウントです。 上側はTDR純正ボルトを使い、ワッシャーをかまして装着します。 TDRを後ろから見て、左側に2mm×1と2・6mm×2のワッシャーをかまし、右側に2mm×2をかまします。 そして、オイルタンクを固定しているところに2・6mmのワッシャーをかますと、 エアクリボックス・オイルタンクとリアサスとのクリアランスが均一になります。 走ってみたところ、どこにも干渉しませんでした。 次は下側です。 NSRのサスボルトはTDRより細く、カラーも細いです。TDRのカラーだと太くてNSRサスに入りません。 ここで必要なのが内径がTDR、外径がNSRというカラーです。 ワンオフすれば早いのでしょうが、資金不足なもので探しまわりました(^^;) すると、発見!スズキ・アクロス(のはず)のリンク周りのカラーがビンゴ(喜) ちゃんと焼きも入ってる(^^) 品番:09180−12121です。 幅が少しだけ長いのでグラインダーで2・3mmほど削り完璧!えらいぞアクロス!ビバ、スズキ!! このサイズのカラーはあと数種類ありましたので、今度調べてアップします。 TDRのノーマルスイングアームに付けるにはちょっと長いのでこれより短い方を選ぶといいでしょう。 TDRのサスボルト(私はNSRのサスボルトを使用)を使いおもむろに固定します。 これでサス本体の取り付けは完了、次がリザーバータンクの固定です。 ホースの長さがちょっと短く、リアブレーキマスターの上につけようと思ったのですが無理でした(汗)それに、ホースの出ている角度もヨロシクなく、そのままだとフレームと干渉しスムーズな動作が期待できません。 サス本体のボルトを緩めて角度を変えました。(オイルタンクにワッシャーの写真参照) このとき最小限の緩めにしないとサスオイルが出てきます。注意! こうして角度を変えいろいろ試すと、カウルの中か、写真の位置になりました。どうせなら目立ったほうがいいのでこの位置で決めました(^^) と、以上でNSRサスは取り付け完了です。 リアブレーキのホースはそのままで届き、TZRスイングアームにあるステーで固定してます。 サスセッティングはとくに弱める必要はありません。セッティングの幅も広いのでオフ寄り、オン寄りどちらにも振れます(^^) TZR50スイングアームとNSR250サスの組み合わせはかなりいいです。 ナンバー下にある反射板にまだ干渉し少し削れています(汗) リアフェンダーレスにして対処しようと思ったのですが、スイングアームが長くなったおかげで泥跳ねが凄く、背中はいつも泥だらけです(TT) ナンバーの取りつけ角度を変え泥避け代わりにしようと思います。 インプレとして、 回頭性が少し落ちたような気がしますが、車高が上がりキャスターが立った分で相殺されたのかそれほど気になりません。 オフ寄りの柔らかセッティングだと前後のバランスもそれほど悪くないのですが、オン寄りに固めていくとフロントに不満が出てきます。 これはTZRフォークのコーナーで続きをアップします。 オフを走るTDR乗りの方はこの組み合わせ、やった方がよいかと思います。 林道やダートラごっこが楽しくなります(^^) あぁ、もうひとつ不満がありました。ウィリーしづらいです(汗)練習しよ〜っと・・・ |
完成図です (^^) |
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8、おまけ まずはTDR50、TZR50、TZM50のスイングアームの比較です。 数値はだいたいの値です。少しのずれはあると思います。 長さはTDRを基準に、TZMが15mm長く、TZRが95mm長いです。 スイングアームのピポット部の幅は全部同じでTDRフレームにそのまま入ります。 アクスル側の幅はTDRとTZMが同じで、TZRが15mm狭いです。 サスマウントの位置はTDRを基準に、TZMは後ろに下がっていて低いです。 TZRはかなり下がっていて、かなり低いです。 TZMは20mmほど、TZRは55mmほどの違いがあります。 次はTDR50とTZR50のリアサスの比較です。TZMは持っていませんでした(笑) と書きましたが、探したところありました(^^) ですのでTZMのサスの写真はありません(汗) 太さは同じで、違いは長さとスプリング、ストロークです。 TDRはボルト間ピッチ290mm、TZMはボルト間ピッチ230mm、TZRはボルト間ピッチ255mmです。 固さなどは走行してないので分かりません。ストロークはTDR>TZR>TZMの順です。 次はNSR250R−SE、MC21とMC28のリアサスの比較です。 長さは同じで、スプリングの太さや巻き数も同じですからレートは同一です。 となると違いは減衰セッティングか、無い!かのどちらかです。 が、ちょっとした違いがありまして、写真で分かりにくいですが、 ダンパーボディが2mmか3mmほどMC28が短いです。 ですからストローク量が少しだけMC21より多いことになります。 そして、スプリングシートの位置がMC28の方が5mm低いです。 リザーバータンクのホース長も同じでほぼ同じサスということになると思います。 また書きますがメジャーとノギスで測っているので少しのずれはあると思います。 いや、あります(^^;) さて、 ←はMC21サスとTDRスイングアームの組み合わせです。 ものすごくリアが上がっています。 ←はMC21サスとTZMスイングアームの組み合わせです。 ノーマルと同じくらいの車高になっています。 ←はTDRサスとTDRスイングアームの組み合わせ、いわゆるノーマルです。 久しぶりにノーマルに戻しましたが、けっこう車高が高いですね。 TZRスイングアームとMC21サスの組み合わせより少し低いだけです。 1G’でのストローク量がノーマル状態よりTZR・MC21の方が多いので走行中のディメンションはほぼ同じかな?と思います。 ←はTDRサスとTZMスイングアームの組み合わせです。 チョッパーな香りを漂わせるほど低くなり、この組み合わせはダメですね。 ドラッグレーサーにはいいかも!(笑) と、ここまでMC21サスとTDR・TZMスイングアームの組み合わせを載せましたが、 ←の写真のようにサス下側の形状が違うのでTDR・TZMスイングアームのサスマウントステーに干渉し、ストロ−クしません。 装着する場合は削るなりしないと付きませんね。 |
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9、補強追加と、全塗装で100%完成! まずは塗装・錆び落としです。 剥離剤・ワイヤーブラシ・ペーパー・錆び落とし剤を駆使して、かなりの苦労の末綺麗になりました(^^) サフを吹き、色は悩んだ挙句、黒に決定。クリアも吹くことに。 今回実験も兼ねてホイル用塗料を使ってみました。 跳ね石などに強い塗料とのことで、スイングアームにはバッチシかな?と思ったからです。 結果、跳ね石に強いのは塗装が柔らかいためです。エナメル塗料っぽい感じです。 数日放置しても、ギュッと押せば指紋が付きます(汗) それに耐油性も低いように思います。 リアブレーキマスターのクリア塗装にホイル用塗料を使ったのですが、取り付けの際フルードをつけてしまったところ、あっという間に塗装が侵されすごく柔らかくなりました。 普通の塗料はまだ耐えてくれます。 もうホイル用塗料は使いません。 さて、補強ですが、 溶接したステーを押さえる形でボルトを追加しました。 これで、もし溶接が割れても外れないでしょう。 あと、初めにジャッキを使いスイングアームの幅を広げたのですが、 スイングアーム内側のもともと溶接されている個所の溶接が剥がれているっぽかったので(塗装が浮いて錆びてたので)ロウを流しておきました。 これでTZRスイングアーム・MC21サス取り付けは完了です(^^) チェーンカバーがTZR用なんですが、でっかくてカッコワルイのでここだけ手直ししようと思います。 あとサスセッティングですが、かなりスプリングを固くしないといけません。 スプリングが単一レートだからでしょうか、NSRのまま付けるとグニュ〜と腰の無い感じです。 実はミーツ時、京都にてだるま1号さんと合流したとき、リアブレーキカップをきちんと閉めていなくてフルードがスイングアームに付いていました(TT)タッチアップでごまかすことにします(^^;) このおかげで帰りにダートで遊ぶ決心がつきました(笑) |
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10、やっと気付いた不具合。 TZMホイルを装着して走り、ふとリアキャリパーを触ると激熱! なんで〜(汗)といろいろ考えた結果、スイングアームを広げハの字に開いているので写真のサポートを固定する所も斜めになっていました。 アクスルを締めるとこれに押されてサポートが斜めになりディスクに変な角度でパッドが当たっていたと思われます。サポートとディスクの隙間もほとんどありませんでした。 で、早速サポートと固定するところを斜めに削りました。写真にはありませんが、サポートとスイングアームの接するところも斜めに削った方が良いです。 削っては確認を繰り返し、サポートと水平にディスクがくるようにしましょう。 TDRホイルのときずっとこうだったかと思うと・・・(汗) |
これで完成かな、もう不具合は出ないでしょう。出たらまた更新。ということで(^^;) |